がん
1.「がん」は日本人の死因のトップです
図1で示すように、ここ数10年がんは日本人の死因のトップで、毎年33万人の方が亡くなっています。

図1
因みに2位は心疾患および脳血管疾患を合わせた高血圧・動脈硬化に起因する疾患です。
自殺および不慮の事故は合わせて5.3%です(厚生の指標2003年より)
がんは悪性新生物(腫瘍)、つまり癌腫(胃、腸、肝臓、膀胱、前立腺、乳房など上皮性組織由来の悪性腫瘍)と肉腫(骨、軟骨、脂肪、筋肉など非上皮性組織由来の悪性腫瘍)を合わせたものです。簡単に図2で説明します。詳しい解説は本HPの小児がんの項をご覧下さい。

図2
2.どのような「がん」で亡くなっているのでしょう
がんの種類の頻度は年々変わってきています。生活習慣、とりわけ食習慣の変化、環境の悪化などによって変わるのです。図3は男女別に示したがんの種類別死亡の割合です。

図3
3.がんは遺伝子の病気です
1個の受精卵から始まって、個体になると60兆個の細胞まで増えます。細胞は細胞分裂で増えていきます。その細胞分裂の時に異常が起きるのです。その異常は遺伝子に傷がつくことによります。しかし、殆どの細胞は傷がつくと死滅します。しかし、運悪く残った細胞が異常に増殖を始めるのです。それが「がん」の始まりです。
図4をご覧下さい。がんは一個の異常な細胞から始まります。そして、何度も何度も遺伝子に傷がつき、悪性化します

図4
転移とは:がんが発生した場所から遠隔の臓器に飛ぶことをいいます。
4.がんの進展は多段階です
がんが悪性化(進展)は多段階です。図5は大腸癌を例にどのようにがんが進展するか?について示しています。大腸で発生して肝臓に転移した様子を示しています。

図5
5.初期のがんは充分な治療で治りますが、進行(進展)したものは治療が難しいです
がんが発生した場所で留まっている内に治療すれば、低侵襲な手術で完全に治ります。
図6は早期のがんの内視鏡所見と腹腔内視鏡による手術によって摘除された早期の大腸癌を示しています。

図6
しかし、図7、8のように進行したがんは治療が困難で治りにくいです。

図7 胃の進行がん

図8 肺癌(進行がん)
進行した大きながんだったので、左上葉を完全に切除しました
6.C型肝炎は肝細胞癌(肝癌)の原因となります
主に輸血で感染するC型肝炎ウイルスによって生じるC型肝炎は大きな社会問題にもなりましたね。C型肝炎は慢性化し、やがて肝硬変に移行し、そして肝細胞癌になります。
図9で示します。

図9
7.どのような生活を送ればがんを防げるのでしょう
図10にその答えが掲げてあります。この提言は科学的根拠に基づいたものです。

図10